斜面の安定を基本として,破壊・改変された生態系の早期回復を図ることにより,環境改善,景観保全を行う技術開発に関係する最先端の研究を行い,情報発信すること。それが,斜面緑化研究部会の役割です
連絡先: 橘 隆一 r3tachib(at)nodai.ac.jp ※ (at)は@に変換してください
斜面には,自然の営力で形成された「自然斜面」と,開発など人間の力によって生じた「人工斜面」(法面,のり面)があります。これら斜面に生じる緑(広くは自然)の構造や仕組みを研究したり,裸地化した斜面への緑の導入技術や,より好ましい緑になるよう遷移を進めたり現状を維持したりする緑の管理技術を研究するのが斜面緑化研究部会です。
これまでは,道路,宅地,ダムなどの開発に伴って生じる裸地法面(人工裸地斜面)や山崩れなどによって生じる天然裸地斜面などに対する植生の再生・復元方法の研究が主にされてきました。現在では,緑の質さえ問わなければ,どのような場所でも,どのような時期でも緑化できるようになっています。
しかし,最近,斜面緑化技術の流れは次のような点で大きく急速に変わりつつあります。以下は初代部会長の山寺喜成先生(信州大学農学部)の言葉をまとめたものです。
(1) 播種工による早期樹林化
これまでの草主体の急速緑化方式から播種工(はしゅこう,植物の種子を緑化対象地に直接播く方法)を基本とする早期樹林化方式への転換がされつつあります。「播種工による早期樹林化」は,生態系の回復が速まる,防災的に強い植物群落ができる,景観保全に有効である,などの理由から,最近特に注目され,各地で盛んに行われるようになってきています。
しかし,今後解決しなければならない技術的な研究課題も多くあります。1)播種工により導入可能な樹種を増やすことなど,導入樹種の繁殖特性や繁殖方法,さらには貯蔵方法に関して,2)複層林構造の形成,多様性に富む群落の形成,遷移促進や修正の技術の確立など,植物の組み合わせに関連した植物の生理・生態的特性の解明やその具体的な施工・管理方法に関して,3)導入植物の特性に適合した生育基盤の材料や組み合わせ,後述の極強酸性地やダム等の湛水面裸地をはじめ特殊地域に対する適用性の向上・拡大を図るなど緑化技術の改善に関して,などが大きな研究課題として挙げられます。
(2) 環境保全・環境改善により有効な植物群落の造成
第2は緑化目的についての認識の変化です。これまでは斜面の地表を保護する(土壌侵食の防止)ことが主な目的でしたが,最近は自然環境の保全,生態系の早期回復などの目的を優先することが一般に認識されるようになり,環境保全のための緑化が行われるようになりました。例えば,騒音防止や景観保全のために道路の両側に積極的に盛土法面を造り,これを植物で覆う方法,つまりジオテキスタイル工法(補強盛土工法)を用いた「植生擁壁工」が普及しつつあります。
反面,問題の多い施工も増えてきています。例えば,1)法面内部の風化を促進し崩壊を誘発するような切土面への樹木植栽,2)莫大な経費と労力がかかり,また自然にはあり得ない急斜面への必要以上の厚い客土,3)長期維持が困難で防災的にも弱い草花の導入,4)斜面の長期安定に問題が多い腐りやすい丸太や竹など自然の資材を用いた簡易編柵工,5)切土面などやせた土地では生長が遅く自然回復がかえって遅れる潜在自然植生の単一植栽,などが挙げられます。
(3) 特殊な緑化困難地に対する緑化技術
第3は特殊な緑化困難地,例えば極強酸性地,ダム等の湛水面裸地,積雪高寒冷地,コンクリート・モルタル吹付法面,火山噴火に伴う荒廃山地などに対する緑化の要望が強くなり,これらに対応できる新しい工法が開発されつつあることです。
例えば,1)極強酸性地に対しては永続する中和方法が考案され成果を上げつつあります。2)湛水面裸地では耐水性に優れた生育基盤の造成や空気を保持することを考えた緑化基礎工が考案されています。3)積雪高寒冷地では耐侵食性に優れた生育基盤を造成する工法により樹木の播種工による導入が各地で試行されています。4)コンクリート・モルタル吹付法面に対しては法面の長期安定を図り,しかも造成した生育基盤を強固に固定する各種の工法が開発されています。5)火山噴火に伴う荒廃山地などに対しては水を使わない航空緑化工としてコーティング種子を使用する方法が開発されています。
斜面緑化は,斜面安定を基本として,破壊・改変された生態系の早期回復を図ることにより,環境改善,景観保全を行うものといえます。従って,研究の方向は,自然の緑が持つ斜面安定・防災機能の解明,自然により近い群落の構造解明と造成,防災的機能の向上とその評価,遷移コントロール,環境と調和する群落構成,多様性の再生など,理学的解明と施工・管理技術の研究の両面から進め,両者が結びつくことが重要です。
<部会長>
橘 隆一 東京農業大学地域環境科学部 r3tachib(あっと)nodai.ac.jp ※(あっと)を@に変換してください
<幹事>
今西 純一 (大阪府立大学)
川原田 圭介(高速道路総合技術研究所 緑化技術センター)
田中 淳 (国土防災技術株式会社)
中村 剛 (日本植生株式会社)
福永 健司 (東京農業大学)
藤原 宣夫 (大阪府立大学)
山田 守 (SPTEC YAMADA)
吉田 寛 (東興ジオテック株式会社)
吉原 敬嗣 (紅大貿易株式会社)
最新情報
日本緑化工学会 生態・環境緑化研究部会/斜面緑化研究部会では, わかやま地域植物緑化研究会と共同で合同研究会を企画いたしました。 ご興味のある方ぜひご参加ください。
地域の種を地域で生産し、地域の業者が地域の緑化工事を実施することを目指した研究について、全国および和歌山の事例を紹介。 地元の種で、地元の生態系を守り、地元に仕事をつくる、「みどりの地産地消」の取り組みを考えるワークショップを開催します。
主催: わかやま地域植物緑化研究会
共催: 日本緑化工学会 生態・環境緑化研究部会/斜面緑化研究部会(斜面緑化研究部会第11回勉強会)
参加申込み・お問い合わせは、わかやま地域植物緑化研究会 事務局/中島(和歌山大学)へお願いします
斜面緑化研究部会では,下記の技術交流会を高速道路調査会と共同で企画いたしました。
ご興味のある方ぜひご参加ください。
公益財団法人 高速道路調査会では調査研究事業の一環として道路緑化技術検討会を設け、道路緑化や環境保全、あるいはそれらに関連する様々な技術的な課題等を広く取り上げ、特に若手の技術者に呼びかけて議論し、交流を深める場として「技術交流会」を企画、開催しております。今回の技術交流会では、日本緑化工学会 斜面緑化研究部会と共同企画により、下記の通り開催して頂くことになりました。
学会・検討会への日ごろの参加、所属にかかわらず どなたでも参加していただけます。どうぞ奮ってご参加いただきますよう、ご案内申しあげます。
私たち緑化技術者は法面保護工の基本である「植生工」によって,「表層崩壊を防ぐこと」を目的として植物を用いてきているが,大きな人災事故がなかったことから,管理に関してはあまり問題視されたことはなかった。
しかし,平成25年に高速道路で起こった用地外からの倒木による死亡事故を契機に,法面において,皆伐や倒木の際道路に届く位置にある樹木の伐採が始まった。
近年,「豪雨により法面の土砂崩壊」が増えているが,これは本当に「豪雨」のせいなのだろうか?
直接的には,飽和水量が超過したことにより斜面が崩れているのは事実であるが,先の伐採も含め,法面の管理には問題がないのだろうか?
今回は,防災という観点から「緑」をとらえ,緑が必要なのか否かを発散的に議論し,相互の理解を深めることを目的とする。題材として,ホームページ等に掲載されている写真等を数点お示しし,グループディスカッション等により疑問点や意見を出し合った後,簡単な発表を行います。
企画: 公益財団法人 高速道路調査会・日本緑化工学会斜面緑化研究部会 共同企画
事務局: 公益財団法人 高速道路調査会 研究部 佐藤 將、神丸 真一
TEL: 03-6436-2093 FAX: 03-6436-2098
e-mail: g-kouryu(あっと)express-highway.or.jp ※(あっと)を@になおして下さい
高速道路調査会 http://www.express-highway.or.jp
★ 会員の方からは、総務部会へお問い合わせ・申込み下さっても構いません。気軽にご参加下さい。★
web-master(あっと)jsrt.jp ※(あっと)を@にかえて送信してください
斜面緑化研究部会では,特に若手の研究者・技術者の育成を主眼として,緑化工に係る研究,開発,計画,設計,施工などの話題提供をいただき,課題の認識,解決策の検討などについて,ゆっくりと議論できる場として「勉強会」を開催しています。
第6回までは「生物多様性保全に配慮した緑化事例」を題材に開催し,第7回は「現場事例に学ぶ斜面緑化勉強会」として法面に生育する高木類の維持管理について議論しました。今回は,周囲環境と調和した樹林の形成を目指す緑化地において,植被率や生存率以外にどのような指標や手法で植生の動態を評価することができるのか,どのように緑化地のマネージメントに活用できるのかについて議論する予定です。ぜひ,多くの皆様のご参加をお待ちしています。
当日参加も歓迎いたしますが,下記URLにアクセスして【6月20日(水)まで】にお申し込みをいただけますと幸いです。
6月28日「斜面緑化勉強会」申込みフォームへのリンク
↑ 入力フォームに必要事項を記入して頂き、送信して下さい
斜面緑化研究部会では,下記の技術交流会を共同で企画しております。ご興味のある方ぜひご参加ください。
公益財団法人 高速道路調査会では調査研究事業の一環として道路緑化技術検討会を設け、道路緑化や環境保全、あるいはそれらに関連する様々な技術的な課題等を広く取り上げ、特に若手の技術者に呼びかけて議論し、交流を深める場として「技術交流会」を企画、開催しております。
2月の技術交流会では、日本緑化工学会 斜面緑化研究部会と共同企画により、下記の通り開催して頂くことになりました。学会・検討会への日ごろの参加、所属にかかわらず どなたでも参加していただけます。どうぞ奮ってご参加いただきますよう、ご案内申しあげます。
※ この行事は、緑化・環境CPD協議会 認定行事です
事務局:公益財団法人高速道路調査会 研究部 佐藤 將、豊田 誠
e-mail: g-kouryu(あっと)express-highway.or.jp ※(あっと)を@になおして下さい
〒106-0047 東京都港区南麻布2-11-10 OJビル2階
TEL:03-6436-2093 FAX:03-6436-2098
http://www.express-highway.or.jp
斜面緑化研究部会では特に若手の研究者・技術者の育成を主眼として,緑化工に係る研究,開発,計画,設計,施工などの話題提供を頂き,課題の認識,解決策の検討などについて,ゆっくりと議論できる場として“勉強会”を開催しています。
これまでの勉強会では「生物多様性保全に配慮した緑化事例」を中心テーマとして開催してきました。しかし,テーマは市場単価による発注システムの課題,緑化材料(森林表土,地域性種苗)の確保や取り扱いの課題,施工後の不明確な評価基準など,広範に及んでいます。そこで,今回より「現場事例に学ぶ斜面緑化勉強会」と名称変更して,引き続き開催していくこととしました。新生「勉強会」の第7回目は,東京農大で開催いたします。
斜面・法面緑化工に求められる機能の整理をした上で,倒木事故も懸念される法面に生育する高木類の維持管理について議論する予定です。ぜひ,多くの皆様のご参加をお待ちしています。
当日参加も歓迎いたしますが,配布資料の印刷部数を把握する都合上,下記メールアドレスに11月29日(水)までに参加お申し込み頂けますと幸いです。
申込先:橘 隆一(東京農業大学地域環境科学部 森林総合科学科)
Tel: 03-5477-2274
e-mail:r3tachib(at)nodai.ac.jp ※(at)を@に直してください
シカ生息域において実施された斜面緑化施工地のシカ採食被害が増加している。採食被害は,緑化植物の採食に伴う植生の衰退・裸地化だけでなく,踏み荒らしによる侵食の発生,侵食に伴う排水路の閉塞,地質によっては落石の発生など,斜面保護機能自体にも大きな影響を与える。斜面緑化施工地におけるシカの採食被害について,
@斜面緑化におけるシカ被害の現状と課題(SPTEC・YAMADA 山田 守)
A斜面におけるシカ被害対策工の種類や特徴(日本植生株式会社 中村 剛)
Bシカの不嗜好性植物を用いた斜面緑化対策(紅大貿易株式会社 吉原 敬嗣)
の3つの話題提供を基に議論を行う。
近年,斜面・法面緑化工の分野では,生物多様性保全に配慮した緑化の重要性が指摘されていますが,実際の現場では,相変わらず外来緑化植物による緑化が主流です。斜面緑化研究部会が過去に開催した研究集会では,市場単価による発注システムの課題,緑化材料(森林表土,地域性種苗)の確保や取扱いの課題,施工後の不明確な評価基準など,さまざまな課題が指摘されていますが,もう一つ,本質的な課題として研究者・技術者の不足が挙げられます。
そこで,斜面緑化研究部会では,特に若手の研究者・技術者の育成を主眼として,緑化工に係る研究,開発,計画,設計,施工などの話題提供を頂き,課題の認識,解決策の検討などについて,ゆっくりと議論する場として“勉強会”を開催しています。今回は,第5回目として,東京農大で開催いたします。今までの研究部会で報告された内容のまとめ,法面に生育する樹木の維持管理について議論する予定です。ぜひ,多くの皆様のご参加をお待ちしています。
配布資料の印刷部数を把握する都合上,下記にEメールにて,6月28日(水)までに参加申し込みください。
申込先:橘 隆一(東京農業大学地域環境科学部 森林総合科学科)
e-mail:r3tachib(at)nodai.ac.jp ※(at)を@に直してください
近年,斜面・法面緑化工の分野では,生物多様性保全に配慮した緑化の重要性が指摘されていますが,実際の現場では,相変わらず外来緑化植物による緑化が主流です。斜面緑化研究部会が過去に開催した研究集会では,市場単価による発注システムの課題,緑化材料(森林表土,地域性種苗)の確保や取扱いの課題,施工後の不明確な評価基準など,さまざまな課題が指摘されていますが,もう一つ,本質的な課題として研究者・技術者の不足が挙げられます。 そこで,斜面緑化研究部会では,特に若手の研究者・技術者の育成を主眼として,緑化工に係る研究,開発,計画,設計,施工などの話題提供を頂き,課題の認識,解決策の検討などについて,ゆっくりと議論する場として“勉強会”を開催しています。勉強会は,第1回(2016年6月,東京農大),第2回(2016年10月,京都府大),第3回(2016年12月,東京農大)と開催し,今回,第4回目として,京都大学で開催いたします。今回は,自然侵入促進工をテーマに現状や課題について議論する予定です。ぜひ,多くの皆様のご参加をお待ちしています。
配布資料の印刷部数を把握する都合上,下記にEメールにて3月29日(水)までに参加申し込みください。
申込先:橘 隆一 東京農業大学地域環境科学部 森林総合科学科 電話 03-5477-2274
e-mail:r3tachib(at)nodai.ac.jp ※(at)を@に直してください
近年,斜面・法面緑化工の分野では,生物多様性保全に配慮した緑化の重要性が指摘されていますが,実際の現場では,相変わらず外来緑化植物による緑化が主流です。斜面緑化研究部会が過去に開催した研究集会では,市場単価による発注システムの課題,緑化材料(森林表土,地域性種苗)の確保や取扱いの課題,施工後の不明確な評価基準など,さまざまな課題が指摘されていますが,もう一つ,本質的な課題として研究者・技術者の不足が挙げられます。
そこで,斜面緑化研究部会では,特に若手の研究者・技術者の育成を主眼として“勉強会”を企画しました。緑化工に係る,研究,開発,計画,設計,施工などの話題提供を頂き,課題の認識,解決策の検討などについて,ゆっくりと議論をしたいと考えています。ぜひ,多くの皆様のご参加をお待ちしています。
参加者人数の把握のため,下記にEメールにて参加申し込みください。なお,資料配布の都合上,前日の12月8日(木)までにご連絡お願いいたします。
申込先:橘 隆一(東京農業大学地域環境科学部 森林総合科学科)
e-mail:r3tachib(at)nodai.ac.jp ※(at)を@に直してください
第47回大会 研究集会
日 程: 2016年10月2日(日) 16:00〜17:00 (研究発表会2日目)
会 場: 京都府立大学 稲盛記念会館(教養教育共同化施設) 104講義室
京都府京都市左京区下鴨半木町1-5
近年,斜面・法面緑化工の分野では,生物多様性保全に配慮した緑化の重要性が指摘されているが,実際の現場では,相変わらず外来緑化植物による緑化が主流である。斜面緑化研究部会が過去に開催した研究集会では,市場単価による発注システムの課題,緑化材料(森林表土,地域性種苗)の確保や取扱いの課題,施工後の不明確な評価基準など,さまざまな課題が指摘されているが,もう一つ,本質的な課題として研究者・技術者の不足が挙げられる。
そこで,斜面緑化研究部会では,特に若手の研究者・技術者の育成を主眼として“勉強会”を企画した。緑化工に係る,研究,開発,計画,設計,施工などの話題提供を頂き,課題の認識,解決策の検討などについて,ゆっくりと議論をしたい。今回は第2回目の勉強会として,苗木植栽工の失敗事例を題材として議論する。
多くの皆様のご参加をお待ちしています。
「斜面緑化工における苗木植栽工の失敗事例 〜計画,維持管理段階での課題の発見〜」
SPTEC・YAMADA 山田 守
斜面緑化研究部会 部会長 山田 守
yamada-mamoru(あっと)jcom.zaq.ne.jp ※(あっと)は@になおして下さい
生態・環境緑化研究部会と合同開催のシンポジウムを仙台市で開催しました。
合同シンポジウム 生物多様性に配慮した公共事業の推進にむけた取り組み
--------------------
近年,斜面・法面緑化工の分野では,生物多様性保全に配慮した緑化の重要性が指摘されていますが,実際の現場では,相変わらず外来緑化植物による緑化が主流です。斜面緑化研究部会が過去に開催した研究集会では,市場単価による発注システムの課題,緑化材料(森林表土,地域性種苗)の確保や取扱いの課題,施工後の不明確な評価基準など,さまざまな課題が指摘されていますが,もう一つ,本質的な課題として研究者・技術者の不足が挙げられます。
そこで,斜面緑化研究部会では,特に若手の研究者・技術者の育成を主眼として“勉強会”を企画しました。緑化工に係る,研究,開発,計画,設計,施工などの話題提供を頂き,課題の認識,解決策の検討などについて,ゆっくりと議論をしたいと考えています。ぜひ,多くの皆様のご参加をお待ちしています。
参加者人数の把握のため,下記にEメールにて参加申し込みください。なお,資料配布の都合上,前日の6月9日(木)までにご連絡お願いいたします。
申込先:斜面緑化研究部会 橘 隆一 e-mail:r3tachib(at)nodai.ac.jp ※(at)を@に直してください
この勉強会は3ヵ月に1度程度開催する予定です。今後の予定は下記の通りです。以降も継続的に開催する予定です。
第2回 勉強会 2016年9月(日本緑化工学会京都大会内にて)
第3回 勉強会 2016年12月(東京農大にて)
斜面緑化研究部会と生態・環境緑化研究部会は、第46回大会にて合同研究集会を企画しました。
研究集会の報告は、学会誌41巻(2016年発行)に報告を掲載する予定です。掲載後、当サイトからもダウンロードできるようにします。
当日のプログラムはこちらをご覧下さい。
研究集会 生物多様性に配慮した公共事業の推進にむけた取り組み <2015.9.26開催>
概要 日本緑化工学会では、地域性の植物資源を用いた緑化・自然再生の事例・問題提起などを収集し、公開してきました。緑化植物における外来植物から地域性在来植物への転換、侵食防止を主目的とした緑化から生物多様性の保全に配慮した自然回復への転換、等に向けた取り組みを進めて参りましたが、課題解決にはまだ道半ばです。
今回、国土交通省と環境省において外来種対策を目的として取り組んでいる、指針の作成や調査に関する取り組みを紹介して頂くと共に、先進緑化事例からみた、社会的課題やその解決方法を議論しました。
斜面緑化研究部会は,2004年に「のり面における自然回復緑化の基本的考え方のとりまとめ」を発表して以降,斜面における自然回復緑化にスポットを当てた研究集会やシンポジウムを開催し,議論を重ねてきた。斜面緑化に対するさまざまな問題点が指摘される中で,“緑化目的・目標が不明確であること”,“緑化目的・目標に適合した検査基準が整備されていないこと”が,早急に解決すべき大きな課題であるとの認識に至っている。
従来の侵食防止を主目的とする早期全面緑化と,地域生態系の回復を主目的とする自然回復緑化では,工事での取り組み方法は大きく異なり,自然回復緑化では緑化目的に応じた施工法,検査法,維持管理が必要である。こうした基本的な考え方が非常に曖昧であるために,現場で混乱が生じていると理解された。
本研究集会では,平成24年1月31日(東京代々木),平成24年9月10日(東京農大)に実施した研究集会「斜面緑化研究部会がめざす法面緑化の新たなルール作り」に引き続き,第3回目として,最近の自然回復緑化事例に対するモニタリングおよびその評価について報告する予定である。
日本緑化工学会斜面緑化研究部会長 山田 守 e-mail:yamada-mamoru(at)tcat.ne.jp ※(at)を@に直してください
--------------------
斜面緑化研究部会は,日本緑化工学会が2002年に公表した「生物多様性保全のための緑化植物の取り扱い方に関する提言」を受けて,2004年に「のり面における自然回復緑化の基本的考え方のとりまとめ」を発表して以降,斜面における自然回復緑化にスポットを当てた研究集会やシンポジウムを開催し,議論を重ねてきた。
斜面緑化に対するさまざまな問題点が指摘される中で,“緑化目的・目標が不明確であること”と“緑化目的・目標に適合した検査基準が整備されていないこと”が大きな問題であり,早急に解決すべきことがあぶり出されてきた。従来の侵食防止を主目的とする早期全面緑化と,地域生態系の回復を主目的とする自然回復緑化では,工事での取り組み方法は大きく異なり,自然回復緑化では緑化目的に応じた施工法,検査法,維持管理が必要である。こうした基本的な考え方が非常に曖昧であるために,現場で混乱が生じていると理解された。
本研究集会では,平成24年1月31日に実施した研究集会「斜面緑化研究部会がめざす法面緑化の新たなルール作り」の第二弾として,最近の自然回復緑化事例に対するモニタリングおよびその評価について報告する予定でいる。
これまで斜面緑化研究部会では,日本緑化工学会によりまとめられた「生物多様性のための緑化植物の取り扱い方に関する提言(2002)」を受けて,「のり面における自然回復緑化の基本的考え方のとりまとめ(2004)」を発表して以降,斜面の自然回復緑化の課題にスポットを当てた研究集会やシンポジュームを開催して議論してきました。
さまざまな問題が指摘される中で,早期に解決すべき課題として,“緑化目的・目標が不明確であること”,“緑化目的・目標に適合した検査基準が整備されていないこと”に大きな原因があることがあぶり出されてきました。従来の侵食防止を主目的とする早期全面緑化と地域生態系の回復を主目的とする自然回復緑化では,工事での取り組みは大きく異なり,必然的に緑化目的に応じた施工法,検査法,維持管理が必要になります。しかし,現在はこうした基本的な考え方が非常に曖昧なため,現場が混乱しているのが実状であると理解しています。
そこで,斜面緑化研究部会では,新たな緑化目的・目標の設定の考え方,また,それに適合した工事の取り組みや検査基準のあり方について,今後具体的な提案を行いたいと考えており,参加者の皆様から,広くご意見をいただきたいと思います。
斜面緑化研究部会 山田 守 e-mail:yamada-mamoru(at)tcat.ne.jp ※(at)を@に直してください
--------------------
これまで斜面緑化部会では, 斜面緑化技術を単に侵食防止を目的とした「緑化」ばかりではなく, 自然景観の修復や自然生態系の回復など社会的要望の強い多様な緑化の実現, つまり法面防災と自然回復を兼ね備えた緑化を「自然回復緑化」として新しく位置付けするべく, 議論の場を重ねてきた。
しかし, 緑化工事の現場では, 自然回復緑化の普及は必ずしも順調に進んでいるとはいえない。
今年2月に行った公開シンポジウム「斜面緑化 の過去・現在そして未来」では, 多くの緑化工事で緑化目標が明確でなく, 設計, 施工, 植生管理が連動していない, 緑化工事の発注形態や成 績判定方法などに自然回復緑化を普及させるための「しくみ」が整っていない, 自然回復緑化は従前の法面保護工とは異なる枠組みでの位置付 けが必要という課題があぶり出された。
そこで今回は, こうした中から法面における自然回復緑化施工後の植生管理の実態について, 特に若手 技術者から報告していただき, それらの報告から緑化目標設定のあり方について議論する。
2011年2月開催
自然回復(生態系復元),生物多様性保全,外来生物法,要注意外来生物(別途検討を進める緑化植物)など,法面緑化をとりまく情勢が急変したことにより現場では混乱が生じた。自然の早期回復を目指す法面緑化には,新たな技術の確立と社会的環境の整備が急務であり,そこで昨年の集会では,植生工の「検査基準」の現状を取り上げ,議論を行った。
今回は,切土法面で行われた自然回復緑化の実施例を,現場で実際に担当された方々から紹介していただく。リアルな苦労話や,そこで生じた問題点とその解決策などをもとに,今後に向けて議論を深めたい。