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わが国の斜面緑化技術(法面緑化・治山緑化)は,高度成長に伴う公共事業の追い風を受けて日本緑化工学会とともに発展してきました。しかし,1989年に始まったバブル崩壊以降,斜面緑化に関係する法面保護工事の受注額は1998年をピークに減少の一途をたどり今日に至っています。その一方で,緑化植物問題(要注意外来生物リスト,環境省2005)を契機に,斜面緑化に対する要求は,侵食防止という一義的目的から法面防災と自然回復を図る多面的目的へと着実に変わりつつあり,2007年には4省庁による緑化植物の取り扱いに関する検討の結果示された「生物多様性に配慮した緑化」の分野は,斜面緑化業界が対応可能な新領域としての発展が期待されています。
しかし,緑化現場の現実は,外来種(イネ科外来牧草類や外国産在来種)の使用を前提とする市場単価方式という経済的な壁,在来種という名のもとで使用され続けられている外国産在来種,確立されていない在来種緑化の成績判定方法をはじめとする課題を抱え,生物多様性に配慮した自然回復緑化の普及は必ずしも着実に進んでいるとはいえません。
今回のシンポジウムでは,生物多様性国家戦略2010,URBIO 2010,COP10をはじめ,環境に対する社会的認識が着実に高まりつつある中にあって,依然としてみどりの質よりもコストを重視した緑化工事が目につく斜面緑化をテーマに,生物多様性に配慮した自然回復緑化の普及のための前向きな議論を参加者のみなさまと進めたいと思います。
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会場の案内はこちらをご覧下さい(国立オリンピック記念青少年総合センターのサイトへ)国土交通省、環境省、非営利特定活動法人 日本緑化工協会、社団法人 全国特定法面保護協会、財団法人 日本緑化センター