2011年公開シンポジウム 「斜面緑化の過去・現在・そして未来」

画像をクリックすると大きいサイズのポスターが表示されます(pdf)

わが国の斜面緑化技術(法面緑化・治山緑化)は,高度成長に伴う公共事業の追い風を受けて日本緑化工学会とともに発展してきました。しかし,1989年に始まったバブル崩壊以降,斜面緑化に関係する法面保護工事の受注額は1998年をピークに減少の一途をたどり今日に至っています。その一方で,緑化植物問題(要注意外来生物リスト,環境省2005)を契機に,斜面緑化に対する要求は,侵食防止という一義的目的から法面防災と自然回復を図る多面的目的へと着実に変わりつつあり,2007年には4省庁による緑化植物の取り扱いに関する検討の結果示された「生物多様性に配慮した緑化」の分野は,斜面緑化業界が対応可能な新領域としての発展が期待されています。
しかし,緑化現場の現実は,外来種(イネ科外来牧草類や外国産在来種)の使用を前提とする市場単価方式という経済的な壁,在来種という名のもとで使用され続けられている外国産在来種,確立されていない在来種緑化の成績判定方法をはじめとする課題を抱え,生物多様性に配慮した自然回復緑化の普及は必ずしも着実に進んでいるとはいえません。
今回のシンポジウムでは,生物多様性国家戦略2010,URBIO 2010,COP10をはじめ,環境に対する社会的認識が着実に高まりつつある中にあって,依然としてみどりの質よりもコストを重視した緑化工事が目につく斜面緑化をテーマに,生物多様性に配慮した自然回復緑化の普及のための前向きな議論を参加者のみなさまと進めたいと思います。

開催概要

日 程: 2011年2月1日(火)13:30〜17:00 (受付:13:00〜)
場 所: 国立オリンピック記念青少年総合センター センター棟 1階(東京都渋谷区代々木神園町3-1)
参加費(資料代): 一般1,000円  学生400円
定 員: 200名 (事前申し込み不要です)
 ※今回のシンポジウム会場では,正午まで日本緑化工学会後援の緑化技術講習会(NPO法人日本緑化工協会)が開催されます。そのため,受付は13:00より行います。
こちらからシンポジウムのポスターをダウンロードできます(pdf)
会場の案内はこちらをご覧下さい(国立オリンピック記念青少年総合センターのサイトへ)

プログラム

基調講演  斜面緑化の歩みと今後のあり方
亀山 章 (東京農工大学名誉教授・元日本緑化工学会会長)
話題提供
生物多様性に配慮した緑化工法の現状と課題
     松江正彦(国土技術政策総合研究所 緑化生態研究室)
法面の自然回復緑化が抱える問題の実態と今後のあり方
     山田 守(SPTEC YAMADA)
生物多様性時代における緑地の評価手法
     今井祥之(高速道路総合技術研究所 環境・緑化研究室)
生物多様性に配慮した植物材料供給の実態と今後のあり方
     入山義久(雪印種苗 千葉研究農場)
自由討論  これからの自然回復緑化のあるべき姿を考える
コーディネーター: 福永健司 (東京農業大学 地域環境科学部)

問合せ先  日本緑化工学会 企画・事業部会

大澤啓志(日本大学 生物資源科学部)
吉田 寛(東興ジオテック 技術開発部)
  Tel: 03-3456-8751 e-mail: hiroshiyoshida(at)toko-geo.co.jp ※(at)を@ に直してください

後援学協会・機関

国土交通省、環境省、非営利特定活動法人 日本緑化工協会、社団法人 全国特定法面保護協会、財団法人 日本緑化センター

| このサイトについて | お問い合わせ |