緑化に使用する植物材料・地域性種苗に関する研究・検討

2014年8月 第45回日本緑化工学会大会・帯広畜産大学にて研究集会を開催
地域性種苗利用の最前線 〜使った・困った事例紹介ワークショップ
主催:生態・環境緑化研究部会
生態・環境緑化研究部会

地域性種苗利用の最前線 〜使った・困った事例紹介ワークショップ

地域性の植物資源を用いた緑化・自然再生の事例・問題提起などを収集し、公開するためのワークショップを行います。

前半は会員のみなさんからお寄せ頂いた紹介資料やポスターを掲示し、自由に見て頂く時間を作ります。 大会で発表した技術報告部門や研究交流部門の発表ポスターや資料など、関連する話題をそのまま持ち込んで頂いても結構です。 各自自由に事例の報告や提案などを行い、討論して頂きます。
後半、掲示された発表に対する意見交換を行うとともに、地域性種苗に関する社会的状況や、遺伝系統の研究などについての最新情報を提供する ラウンドテーブルセッションを行います。
ワークショップ終了後、研究部会の責任で各発表および当日の議論をとりまとめ、研究部会ホームページに掲載致します。

研究集会の概要
日程: 2014年8月31日(日) 16:30〜18:00
会場: 帯広畜産大学 講義棟1階 3番講義室(技術報告部門のポスターセッションの会場です)
プログラム
第一部: 事例発表・問題提起などの発表会 /下記参照の上、お寄せ下さい
第二部: ラウンドテーブル的セッションおよび話題提供
 1. 北海道で地域性種苗を使うなら 〜道内での使用例(仮題)
   鈴木 玲(予定) 雪印種苗株式会社
 2. 地域性種苗の供給範囲を考えよう 〜種子吹付に在来草本を使うとしたら〜
   津田 その子 中部電力株式会社技術開発本部
 3. 地域性種苗が “当然” の世の中にするために
   生態・環境緑化研究部会部会長 中島敦司 和歌山大学システム工学部

 

第一部の事例紹介・利用拡大に向けた提案などの募集
会員のみなさんからの発表・提案を募集しています(終了後もお問い合わせ下さい)

地域性の植物材料の利用拡大に資する話題や提案を広く募集します。
地域性種苗の使用事例、立地の評価、希少種保全の事例、生息地の保護、多様な主体の連携事例 ・・・など、
うまくいった、うまくいかなかった、こんなところが問題だった、といった事例や提案の発表を募集致します。
研究集会のタイトルは「地域性種苗利用の最前線」としておりますが、厳密に「地域性の種苗」の利用実績を問うものではありません。 今後の利用拡大につながる提案や問題提起を期待して募集するものです。
国内産の在来種種苗を利用した事業の事例(成功例、失敗例、検討だけで終わってしまった...)などから
<もっとこうすれば、このような利用が可能>といった、積極的な提案をお寄せ下さいますようお願い致します。

当日発表資料の作成は自由な形で行って頂きます(受付後、詳細をご連絡・相談致します)。
ワークショップ終了後は原則として研究部会の責任で各発表および当日の議論をとりまとめ、研究部会ホームページに掲載致します。 (掲載内容の詳細は、終了後に発表者と相談の上決めさせて頂きます)
今後の利用に資するため多くの情報を収集し、提案したいと考えています。事例や提案の収集を目的にしているため、内容の未発表・既発表は問いません。

なお、大会当日のポスターセッションの発表をそのままお持ち頂くことも可能です。 また、ポスター発表に追加資料を加えて紹介して頂くなどの発表形態も歓迎致します。 どうぞたくさんの事例をお寄せ下さい。

申込締切
  2014年8月20日(水)
  ※発表について検討なさっている場合、できるだけ早めにご連絡下さいますと助かります
お問い合わせ・お申し込み
生態・環境緑化研究部会 幹事 中村華子(緑化工ラボ)
  e-mail:hana-n(あっと)tkb.att.ne.jp   ※(あっと)を@になおしてください
  電 話:03-3341-3953 Fax.03-5362-7459

 

第二部 話題提供の概要紹介

話題提供1: 北海道で地域性種苗を使うなら 〜道内での使用例(仮題)〜
       鈴木 玲  雪印種苗株式会社

主に、北海道で地域性種苗を活用した事例と、成功の要因についてご報告します。

話題提供2: 地域性種苗の供給範囲を考えよう 〜種子吹付に在来草本を使うとしたら〜
       津田 その子 中部電力株式会社技術開発本部

 緑化資材として地域性種苗を指定された場合、樹木については「地域性苗木」の生産体制が整えられつつありますが、法面・斜面の吹付に必要な草本植物の「地域性種子」の入手は困難です。また、見た目で区別がつかない同じ種の植物が「地域性種苗」として認められるには遺伝的な裏付けが必要ですが、草本ではデータの蓄積がほとんどなく地域性区分を決定できないため、「工事する場所から前もって種子を集めてくる」ことしかできないのが実情です。工事期間、施工費用を考慮すると、地域性種苗を用いた緑化工事、特に法面緑化は現実的に対応が難しい状態であることはご承知の通りです。
 ワークショップでは、イネ科を主体とした在来草本10種について、本州各地からサンプルを集めて葉緑体遺伝子の違いを調べ、日本地図に落とし込んだ結果をご紹介します。遺伝的に全国ほぼ均一な種、地域差がはっきり出る種など、ごく身近な在来草本でも様々な特徴があることがわかってきました。自分たちの工事で使える地域性種苗の産地はどこまでか、どの程度の遺伝的背景の違いを地域性種苗としてとらえるべきかなど、今後私たちがぶつかるであろう課題について、施工者、行政、研究者、様々な立場から意見交換をしたいと思います。

話題提供3: 地域性種苗が “当然” の世の中にするために 〜生態・環境緑化研究部会〜
       中島敦司 和歌山大学システム工学部

地域性種苗は「市民の欲求である」と私たちは考えています。しかし、「地域性種苗」という語が認知されているようで認知されていない現状を、各団体の取り組みなどにもふれながらお話しいたします。 現在、「地域性」の考え自体が普及の段階にあります。現時点では不正確でも情報が認知されていくプロセスも必要だと考えています。
当研究部会では、地域性種苗に関するパンフレットを作成し、発注者に提案しやすくなるような資料を提供する活動をしていきたいと考えています。帯広で開催するこの集会をそのキックオフの機会にしたいと考えます。

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