日本緑化工学会第55回大会 研究集会のご案内
日本緑化工学会 2024年・第55回大会では 会期中に6件の研究集会を企画しています。プログラムご参照の上、ふるってご参加下さい。
- 研究集会のご案内
会期中の研究集会
研究集会 1: 令和6年能登半島地震復興にむけて―未来の能登を考える―
- 日 時:2024 年 9 月 13 日(金)11:00〜12:30
- 会 場:A(232)
- 企画者:森本淳子(北海道大学)、橘隆一(東京農業大学)、田中淳(国土防災技術(株))、小川泰浩(森林総合研究所)、小野幸菜(東興ジオテック(株))、熊田勇斗(ロンタイ(株))
- 概 要:
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2024年元日に発生した「令和6年能登半島地震」は電気・水道・道路などの社会インフラのみならず、森林・海岸林などのグリーンインフラ(GI)に甚大な被害を与えた。斜面崩壊地は能登全域で2,141カ所以上、崩壊・堆積面積は8.2 km2との試算もあり、GIの中長期的な再生が当地域の生業再建にとって重要な課題である。そこで、緑化工学会有志が復興支援の第一段階として、主に山腹崩壊地を対象にGIの現状における調査分析を実施した結果を学会員に広く共有し、今後の課題への対応について広く意見を聞く場とする。また、自然災害が多発する昨今、緑化工学会が培ってきた技術を適切なタイミングで発信し被災地の復旧・復興に活かすには、学会として速やかに対応できる仕組みを構築する必要がある。この点についても議論する。
- 内 容:
- 趣旨説明: 森本淳子(北海道大学)
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- 話題提供:
- 「能登里山地帯に発生した大規模崩壊とその復元の方向性」 柳井清治(石川県立大学)
- 「発生約4ヶ月後の現地を見て ?緑化工の視点からの災害復興?」 田中淳(国土防災技術(株))
- 「能登半島地震の現状と緑化工学会への期待」 上野裕介(石川県立大学)
- 「GI再生にむけたアイデア」 小川泰浩(森林総合研究所)、熊田勇斗(ロンタイ(株))、柳井清治、森本淳子
- 総合討論:
- 司会 岩崎寛(千葉大学)
- パネラー 柳井清治、上野裕介、小川泰浩、田中淳、森川政人(緑化工理事(環境省))、飯田義彦(筑波大学)
- まとめ 高橋輝昌(千葉大学)
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研究集会 2:OECMで活きる!現行自然共生サイトの現状と新制度
- 日 時:2024年9月13日(金)11:00〜12:30
- 会 場:B(242)
- 企画者:今西 亜友美(近畿大学)・岡 浩平(広島工業大学)・小宅 由似(香川大学)・福井 亘(京都府立大学)・宮崎 直美(帯広畜産大学)・村上 健太郎(北海道大学)
- 概 要:
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2023年度から始まった自然共生サイトの認定件数は順調に増加しており,当該制度による生物多様性の保全や多様な主体の協働促進などへの効果に期待が寄せられています。2024年4月には,当該制度を発展させた生物多様性増進活動促進法が公布され,2025年4月から施行予定です。本集会では,新法のねらいや現行制度との違い等を解説します。また,現行制度で認定を受けたサイトの認定までのプロセスや認定後の効果等を紹介します。
- 内 容:
- 趣旨説明:
- 「自然共生サイト,申請する? 新制度の紹介と登録サイトの歩み」 小宅 由似(香川大学 創造工学部)
- 話題提供:
- 「生物多様性増進活動促進法制定の背景と新制度の概要」 則久 雅司(環境省 九州地方環境事務所)
- 「自然共生サイト登録への道」 江口 則和・谷地 俊二・立脇 隆文(人間環境大学 環境科学部)
- 「大学が自然共生サイト認定・OECM登録に取り組む意義」 北岡 真吾(北海道大学サステイナビリティ推進機構)・愛甲 哲也(北海道大学大学院農学研究院)
- 総合討論:
- 司会 村上 健太郎(北海道教育大学 函館校)
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研究集会 3: 樹木による生態系サービスを可視化する - i-Tree Eco/Canopyユーザーワークショップ
- 日 時:2024年9月14日(土)13:15-14:45
- 会 場:A(232)
- 企画者:平林 聡(アメリカ農務省フォレストサービス/The Davey Tree Expert Company)、加藤 顕(千葉大学園芸学研究院)、河原典生(一般社団法人街路樹診断協会/株式会社エコル)
- 概 要:
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本集会は参加者がi-Tree EcoおよびCanopyを自身で操作し、より実践的な利用経験を得ることを目的としています。参加される方は事前にご自身のPCにi-Tree Ecoをダウンロード、インストールしてご持参下さい。更にi-Tree Ecoで解析したい樹木データをエクセルやcsvファイルで、またi-Tree Canopyで解析したい対象(街路空間や公園等)のシェープファイルをご持参下さい。これらが可能でない場合でも、企画者から提供されるデータを利用頂くことや、スクリーンでの操作をご覧頂くことでの参加も歓迎いたします。
- 内 容:
- 話題提供
- 平林 聡(アメリカ農務省フォレストサービス/The Davey Tree Expert Company)
- ワークショップ1 「i-Tree Ecoの実践的利用方法について」
- 河原典生(一般社団法人街路樹診断協会/株式会社エコル)、加藤 顕(千葉大学園芸学研究院)、平林 聡(アメリカ農務省フォレストサービス/The Davey Tree Expert Company)
- ワークショップ2 「i-Tree Canopyの実践的利用方法について」
- 加藤 顕(千葉大学園芸学研究院)、平林 聡(アメリカ農務省フォレストサービス/The Davey Tree Expert Company)
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参照:
i-Tree Eco ダウンロード:https://www.itreetools.org/i-tree-tools-download
樹種コード表:https://www.itreetools.org/documents/864/i-Tree_Eco_species_list_1.17.2023.csv
日本の樹種コード表:https://www.itreetools.org/documents/1013/JpSpecies.xlsx
i-Tree Canopy:https://canopy.itreetools.org/
研究集会 4: 斜面緑化研究部会 「外来草本ヨシススキの分布域拡大状況の確認と課題」
- 日 時:2024 年 9 月 14 日(土)13:15-14:45
- 会 場:B(242)
- 企画者:橘 隆一(日本緑化工学会斜面緑化研究部会 / 東京農業大学地域環境科学部)
- 概 要:
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西日本では環境省の生態系被害防止外来種リストにも記載されているイネ科草本であるヨシススキの,特に緑化法面における分布域拡大が指摘されている。しかしながら,ヨシススキに関する種子の発芽特性や発芽後の初期生育特性など,その生理生態は明らかになっていない。本研究集会では,これまで分布域の拡大状況の実際と予備的に行った種子発芽試験の結果などを報告し,情報を共有する。
- 内 容:
- ・趣旨説明
- 「外来草本ヨシススキについて」
- 橘 隆一(日本緑化工学会斜面緑化研究部会 / 東京農業大学地域環境科学部)
- ・話題提供
- 「ヨシススキの分布拡大と対策の基本的な考え方」 山田 守(SPTEC・YAMADA)
- 「ヨシススキ種子の発芽率について」 畠中 陽菜子(東京農業大学地域環境科学部)
- 「ススキはヨシススキに勝てるのか? 刈取り回数がヨシススキとススキの種間競合に及ぼす影響」 「ススキはヨシススキに勝てるのか? 刈取り回数がヨシススキとススキの種間競合に及ぼす影響」
- 「緑化種子への混入異種子」 吉原敬嗣(紅大貿易株式会社)
- ・総合討論
- 司会: 橘 隆一(日本緑化工学会斜面緑化研究部会 / 東京農業大学地域環境科学部)
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研究集会 5: 生態・環境緑化研究部会 「Nature Positiveを確実に実現する自然再生・緑化を目指して」
- 日 時:2024 年 9 月 14 日(土)15:00〜16:30
- 会 場:A(232)
- 企画者:生態・環境緑化研究部会(中島敦司)
- 概 要:
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生態・環境緑化研究部会では地域性種苗の活用や主流化に向けた取組を続けてきました。阿蘇の活動では、行政との連携により、本格的な実装段階を迎えています。長期的視野に立った植生管理や、動物からの被食対策、外来種対策に対しても有効な地域性種苗による自然再生の価値をあらためて考えながら、今後の展開について議論したいと考えています。
- 内 容:
- 植生管理目標を明確にすることの必要性
- 植生管理や地域循環における優位性を活かすための緑化・資材
- まだまだできる/やれる 効率がよく質の高い緑化に向けて
- 地域モデルの確立から地域循環へ・次世代の育成に向けて
- 研究から地域・実務へ/地区から地域へ/地域から全国へ
- ・・などの話題提供を予定しています。
- 各話題提供の後、会場の皆様と研究部会メンバーによる総合討論を行います。
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研究集会 6: 技術交流会 何故,健全な樹木を伐ってはいけないか?
- 日 時: 2024 年 9 月 14 日(土)15:00 〜 16:30
- 会 場: B(242)
- 企画者:簗瀬 知史(東日本高速道路株式会社)
- 概 要:
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「なぜ自然を守るのか?」と同様,当たり前のことを説明するのは非常に難しいものです。特に,反意を持つ方や,知識のない方に対して納得させるのは至難と言えます。
また,私たちが考えている一般論の中には,自分では気付かない企業バイアスや思い込みなど先入観がたくさん潜んでいます。これらを疑いもなく前提として用いると技術開発や研究は陳腐化してしまいます。
今回の技術交流会では,先入観やバイアスを点検,排除しながら,参加者相互に意見,質疑を出しあい,「何故,健全な樹木を伐ってはいけないか?」について,自分なりの解答を導く参加型のセミナーです。
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若手の方々の参加をお待ちしております。気楽にご参加ください。通常,技術交流会では,企画側からの回答はバイアスとなる可能性もあるため示しませんが,今回は,時間に余裕があれば,お伝えしたいと考えております。
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- 内 容:
- 趣旨説明,課題提供 簗瀬 知史(東日本高速道路株式会社)
- グループ ディスカッション: 同業他社の方々と課題について話し合い
- 以降 余裕があれば・・
- 話し合った内容又は回答(できる限り簡単な説明で,専門外の方が納得できるもの)の発表、企画者から「何故,健全な樹木を伐ってはいけないか?」
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第55回 日本緑化工学会大会
大会について
第55回(2024年)日本緑化工学会大会は2024年9月12日〜9月14日に東京農業大学世田谷キャンパス(現地見学会をのぞく)にて開催致します。
9月12日は現地見学会を、研究発表会、公開シンポジウム、企業展示、研究集会、定時総会および学会賞表彰式は 9月13日・14日に開催いたします。ぜひご参加下さい。
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