今回のエクスカーションでは,環境配慮型の社会基盤整備先進事例を『自然の仕組みを活かした国土や地域の管理=グリーンインフラストラクチャーの整備』の視点から捉え直し,未来を見据える機会にしたいと思います。日本景観生態学会,日本緑化工学会と,応用生態工学会の3学会の研究者の皆さんの様々な視点から,革新的な意見交換を期待しています。
まず,郡上八幡では,環境省名水百選の第一号指定地として知られる宗祇水をはじめとする「水舟」という独特の水利用形態(今なお10ヶ所に現存し,住民が組合を組織して保全している)と街中に整備された水の小径(こみち)を活かしたまちづくり,親水歩道,多自然型川づくりの取組みを視察します。また,世界農業遺産に指定されている『清流長良川の鮎』に注目しながら,引き継がれてきた伝統的な漁法,水と密接なつながりのある郡上染などの伝統工芸を含む長良川の持続的なシステムを学び,里川のあり方について意見交換したいと考えています。
後半では,国土交通省多治見砂防国道事務所によって進められている土岐川流域グリーンベルト整備事業と里山砂防事業を視察します。美濃焼の産地でもある当該地域では燃料を得るため山林の伐採や陶土の採掘が行われてきました。その結果,とくしゃ地(いわゆる,はげ山)が一面に広がり,少雨でも土砂が流出し,土砂災害が頻発していました。その対策として,1943年には文化遺産に指定されている浦山第二砂防堰堤が整備され,1952年には団子山地区において日本初の「等高線濠工法」と呼ばれる山腹工が導入されました。また,近年においても,2000年,市之倉地区においては市之倉おりべ砂防堰堤周辺の歩道整備が地域住民参画型で進められるなど,先進的な取組みが展開されています。先人の努力に思いを馳せながら,植生の変化,砂防緑化事業の目的の多様化や,現代的な課題について意見交換したいと考えています。
日 程: 2017年9月25日(月) 8:00〜17:30 (名古屋大学 集合,名古屋駅・中部空港解散)
定 員: 70名(先着順)
参加費: 正会員 7,000円,学生会員 4,500円 (昼食代が含まれています)
・Date: Sep. 25th , 2017(Sun) 8:00〜17:30
・Fare: approximately 8,000JPY,4,500JPY(student)(including lunch charges)
・Quota:70 person (accepted in order to application)
・郡上八幡:宗祇水,吉田川を軸とした街づくり取組み など
・多治見市及び周辺:浦山第二砂防堰堤,団子山地区の砂防緑化の取組み
集合: 名古屋大学を 8:00に出発します。それよりも前にお集まりください。
集合場所の詳細については個別に連絡させていただきます。
解散: 17:30 名古屋駅
(飛行機便等の関係で早めの帰路を希望される方については,個別に対応させて頂く予定です。別途,ご相談下さい。)
ご注意: 軽登山となる視察先もあり,ぬかるんでいるところがありますので,履物にご注意ください。昼食は付いていません。雨天決行です。
下記、(1)〜(7)を明記の上 メールにて実行委員会へ申し込み下さい。
グリーンフロント研究所株式会社 ELRエクスカーション係:小串・清水
e-mail:elr2017excursion(あっと)gmail.com ※(あっと)を@に変えてください
FAX:0564-47-7967 TEL:0564-47-7970