平成25(2013)年9月27日(金)15:30〜17:10
共通教育棟 A32
斜面緑化研究部会では,斜面における自然回復緑化にスポットを当てた研究集会やシンポジウムを開催し,議論を重ねている。斜面緑化に対するさまざまな問題点が指摘される中で,“緑化目的・目標が不明確であること”,“緑化目的・目標に適合した検査基準が整備されていないこと”が,早急に解決すべき課題であるとの認識に至っている。本研究集会は,「斜面緑化研究部会がめざす法面緑化の新たなルール作り」と題して過去3回実施し,今回で4回目となる。
今回は,緑化工事のモニタリングデータを解析し,評価方法や評価基準について素案を提案する予定でいる。
日本緑化工学会斜面緑化研究部会長 山田守
趣旨説明 山田守 (SPTEC YAMADA)…自然回復緑化における評価の考え方
話題提供 橘隆一 (東京農業大学)…自然回復緑化における評価方法の提案
斜面緑化研究部会幹事
吉田 寛(東興ジオテック株式会社),高橋 徳(ライト工業株式会社),田中賢治(国土防災技術株式会社)
平成25(2013)年9月28日(土)14:10〜15:50
共通教育棟 A32
特定外来生物法の施行以来、特定外来生物への対策は主に輸入・飼育を禁止することによって行われてきたが、国内由来の外来種対策が行われていないこと、外来生物の防除対策が全般的に進んでいないこと、生物の導入による遺伝的攪乱への対策が進んでいないこと等の問題点が指摘されている。政府はそれらの解決のため今年度中の「外来種被害防止行動計画」、「侵略的外来種リスト」の作成を目指して作業を進めている。現在、候補種があげられた段階にあり、それらの内容について関連学協会からの意見が求められている。候補種には、緑化に用いられる植物種も多くリストにあげられており、緑化に携わる者は関心を持つ必要がある。
話題提供1では、環境省の担当者から計画やリストの内容について説明して頂く。
そして話題提供2では、生態・環境緑化研究部会幹事の入山義久氏(雪印種苗株式会社)より、生態系や遺伝子の多様性に配慮した地域性種苗の生産・活用現場の最前線についての話題提供を行って、外来種対策と同時に進められるべき、地域資源の活用についての可能性を植物資源の視点から示して頂く。
以上ふたつの話題提供を踏まえ、緑化関係の技術者・研究者からリストや行動計画に対する意見や提案を広く会場から伺い、それらのあり方、本学会の取組について今後の取り組みや方向性について議論したいと考えている。また、本件を検討する中央環境審議会外来生物対策のあり方検討小委員会専門委員の小林氏、斜面緑化研究部会長の山田氏、生態・環境緑化研究部会長の中島氏に、会場からの質問にお答え頂き、それぞれのお立場や研究分野からのコメントを頂く予定である。
今回の研究集会を受け、今後の取り組みも検討したいと考えている。
生態・環境緑化研究部会
1.環境省 自然環境局野生生物課 外来生物対策室 担当官
侵略的外来種リスト(仮称)および外来種被害防止行動計画(仮称)について
2.入山義久(雪印種苗株式会社)
地域性種苗生産の最前線〜これだけできます・こうしたら広がっていきます
司会: 中村華子(生態・環境緑化研究部会 幹事)
パネラー: 話題提供者2名、小林達明(千葉大学,中央環境審議会外来生物対策のあり方検討小委員会専門委員)、
山田守(斜面緑化研究部会長)、中島敦司(生態・環境緑化研究部会長)
平成25(2013)年9月28日(土)16:00〜17:40
共通教育棟 A32
福島第一原発事故による森林汚染については,対策が強く要望されているが,その汚染が広範であること,膨大なコストがかかることが予測されることなどから,検討はこれまで十分に進んでこなかった。チェルノブイリでは,放射性セシウムは事故後しばらくして森林生態系を循環し始め,その後は系内の循環がもっぱらで外部への排出はわずかであるという。より湿潤で温暖なわが国の生態系で,それがどのような挙動を示していくかは明らかではなく,的確な政策立案の障害となっている。一方,その完全解明をまたず,事態は進行し住民の生活復帰は進むため,迅速な対応も求められている。本集会では,標記の問題意識を持って現地第一線で研究を展開している研究者に集まっていただき,多様な条件の森林における放射性セシウムの挙動について比較検討し,その成果をベースに,効果的な除染方法,除染以外の対策手法等のアイディアについて意見交換する。
小林達明(千葉大学)
金子真司(森林総合研究所),金子信博(横浜国立大学),水庭千鶴子(東京農業大学),山本理恵(千葉大学)
太田猛彦(東京大学名誉教授,東京農業大学名誉教授),大内公安(ライト工業)