緑化全般に関連して「積雪と寒冷が障害要因となっている事項」に注目して問題点を洗い出し,率直に討議,関係する最先端の研究を行い,情報発信する。それが,積雪寒冷地緑化研究部会の役割です
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連絡先: 辻 修 tsuji(at)obihiro.ac.jp ※ (at)を@に変えてください
積雪寒冷地緑化研究部会は緑化全般に関連して「積雪と寒冷が障害要因となっている事項」に注目して問題点を洗い出し,率直に討議することに目標をおいて進めています。この地域特有の緑化に際しての障害は積雪と融雪,寒風,凍結,凍上などであり,これら障害を克服する技術開発が求められています。以下に一般的事項を述べます。
(1) 施工限界時期
近年,のり面などの地表面に対する緑化においては,土木的な保護技術の向上により,積雪がなければ植物の生育程度と無関係に晩秋季に施工することも一般化してきています。しかし,その結果は概して失敗に終わる場合が多いのです。他方,植物体を出芽または発根させないで越冬させ,翌春に都合よく出芽させる技術もあります。今のところ概して経験的な場合が多いので,植物種別,地域別,土壌条件別,あるいは被覆工種別に当該地域における「施工限界時期」について検討する必要があります。
(2) 各種施工障害要因の強度区分
これまで得られたデータから,気温・凍上・融解・風衝・積雪などの外的条件から施工障害要因を個別,または組合せで,その程度別に大区分をするとともに,施工対象地の土地条件,特に傾斜・斜面長・土性・土質などから施工障害の受け易さを程度別に細分化します。また,導入植物の導入方法,基盤や被覆材料の面からも,上記障害の及ぼす影響について検討することも肝要です。
(3) 自然環境と調和する緑化技術
近年,自然環境と調和する緑化工が求められる中で,基盤となる土木工種の選択と郷土産植物の選択が肝要となってきました。これを積雪寒冷地に当てはめると前記の各種障害に耐えられることが前提条件となります。また,郷土産植物は発芽勢が低く,生育速度も速くない故,適した植物の選択とともに,未利用の郷土産植物の特性(生態)や繁殖法についても検討する必要があります。
(4) 施工地の補修・保育管理技術
一般に,積雪寒冷地の場合には,当初施工後に各種誘因から植生とともに崩落する場合が少なくないとされています。後の管理よりも,一定期間効果が持続できるような生育基盤づくりに十分対応するのが得策ではあるが,保温のために植栽木に被覆するなど施工後の管理も一つの課題です。このような技術についても肝要です。
<部会長>
辻 修 帯広畜産大学 tsuji(at)obihiro.ac.jp ※ (at)を@に変えてください
<幹事>
内田泰三 九州産業大学工学部
川口貴之 北見工業大学
田崎冬記 株式会社北開水工コンサルタント
福田尚人 有限会社開成舎
宗岡寿美 帯広畜産大学
森本淳子 北海道大学大学院農学研究院
最新の活動
「法面に生育している植物種が異なると、法面保護機能も異なるはずだ」「そだねー」
寒冷地における緑化用植物の根系に関する最新の研究成果を紹介するとともに、現場法面での成績評価の基礎となる植生調査方法について学習する機会を提供したいと思います。
※ この行事は、緑化・環境CPD協議会 認定行事です
氏名、所属(会社名)、連絡先(連絡の取れる携帯番号)を明記し、6月20日(水)迄に、FAXにてお申し込みください。
なお申込は、FAXのみとします。 FAX:0155-31-9461
お問い合わせは、寒冷地積雪研究部会幹事 開成舎・福田にお願いします。
電話 0155-30-0222
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(一社)北海道造園緑化建設業協会「平成27年度植生技術講演会」と共催の講演会を実施しました。
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第45回大会にて 公開シンポジウムを斜面緑化研究部会と合同企画により開催 <2014.8.30>
「自然回復法面緑化の寒冷地域における課題」
--------------------平成25年度日本緑化工学会積雪寒冷地緑化研究部会事業として、以下の行事を開催致します。ふるってご参加ください。
北海道内自然公園の法面緑化は、植物資源にめぐまれていること、厳しい環境条件に適合させる必要があることから、洗練された高度な技術であると評価され、全国の注目を浴びております。そこで、地域の自然環境と調和したこれからの土木工事を検討するうえでの参考となるよう、講演会を企画しました。ふるってご参加ください。
積雪寒冷地緑化研究部会のこれまでの活動内容
○日 時: 平成21(2009)年6月22日(月)13:00〜16:00
○集合場所: 帯広畜産大学 総合研究棟T号館 N1301 学生実験実習室
(帯広市稲田町西2線11番地)
○研修場所: 帯広畜産大学周辺 のり面等(現地)ほか
○講 師: (株)ズコーシャ総合科学研究所 所長 佐藤敏郎 氏
○参 加 費: 3,000 円(当日会場にてお申し受けいたします)
○参集範囲: 日本緑化工学会会員,(社)北海道造園緑化建設業協会会員,のり面緑化技術者(限定10名程度)
○各自で事前に用意していただく冊子(以下の2冊) :
(1)草本: 谷口弘一・三上日出夫 編:「北海道の野の花最新版」,北海道新聞社,2005,3,800円+税,ISBN 4-89453-337-5
(2)木本: 佐藤孝夫 著:「新版 北海道樹木図鑑 増補版」,亜璃西社,2006,2,800円+税,ISBN 987-4-900541-66-5
○そ の 他: 野外での植物採取を実施するにふさわしい服装
<参加申し込み・問い合わせ先> (有)開成舎 福田尚人 宛
〒080-0111 音更町木野大通東9丁目3-15
TEL:0155-30-0222 FAX:0155-31-9461 E-mail:n.fuku@oregano.ocn.ne.jp
(FAX or E-mailにて2009年6月15日(月)までにお申し込み下さい)
○日時:2008(平成20)年1月11日(金) 9:45〜19:00
○場所:とかちプラザ (帯広市西4条南13丁目,TEL:0155-22-7890)
○プログラム
7.積雪寒冷地緑化研究部会 第7回研究会
○日時 2001(平13)年10月26日(金)9:30−17:00
○会場
1)見学会
札幌ドーム ホバーリングステージ(サッカー場)他
ドーム外の植栽状況など視察
2)研究会(テーマ 積雪寒冷地域におけるのり面工をめぐって)
旧北海道農試 第4会議室 平屋の建物
1.北海道における木本緑化の現状
(社)北海道植生建設協会 技術委員長 大篠 豊(緑豊工業(株))
2.のり面における植生調査をめぐって 丸山純孝(帯広畜産大学)
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6.積雪冷地緑化研究部会 第6回研究会
○日時 2001(平13)年3月23日(金) 13:00−17:00
○会場 帯広畜産大学学部棟会議室(北海道帯広市 )
○話題提供
1.のり面緑化の事前調査と施工後調査の問題点 福田尚人 ((有)開成舎)
2.のり面の微気象と計測について 土谷富士夫 (帯広畜産大学)
3.植物の出芽と初期生育・定着について 丸山純孝 (帯広畜産大学)
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5.積雪寒冷地緑化研究部会 第5回研究会
○日時 1998(平10)年10月2日(金) 13:00−17:00
○会場 札幌ステーションホテル(北海道札幌市)
○話題提供
1.北海道の地質とのり面 池田晃一 (北海道地質コンサルタント(株))
2.のり枠の凍上防止対策とクマザサによるのり面緑化 武田一夫 ((株)鴻池組)
3.緑化用種子の発芽について 堀江保夫 (斜面樹林化技術協会)
4.プラントパック吹付工法(木本類導入工法)の施工後の追跡調査報告 渡辺正志 ((社)北海道植生建設業協会)
○見学会 10月3日(土) 9:30−16:40
小樽市総合運動公園ジャンプ競技場,朝里ダム
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4.積雪寒冷地緑化研究部会 第4回研究会
○日時 1997(平9)年9月27日(土) 13:00−17:00
○会場 岩手労働福祉会館(岩手県盛岡市)
○話題
1.積雪寒冷地のワラ伏せ工による自然植生の導入 野田坂伸也((株)野田坂緑研究所)
2.積雪寒冷地の急斜面における植生工 高橋 徳(ライト工業(株))
3.寡雪寒冷地における緑化工法に関する基礎的研究 神林清文((株)ロック総合研究所)
4.積雪寒冷地帯の気象・水文特性 石井正典(岩手大学農学部)
○現地見学 9月28日(日) 8:30−16:00
区界高原,北上山地内の緑化施工地,北上山地民俗資料館
◎日本緑化工学会誌23巻3号(1998年3月発行)に記事掲載
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3.積雪寒冷地緑化研究部会 第3回研究会 「原生花園の植生復元と積雪寒冷地法面における樹林化の試み」
○日時 1996(平8)年8月30日(金) 13:30−17:30
○会場 東京農業大学生物産業学部(北海道網走市)
○話題
1.海岸草原?いわゆる原生花園の植生復元へのトライアル
辻井達一(北星学園大学文学部),富士田裕子(北海道大学農学部)
津田 智(岐阜大学農学部)
2.小清水原生花園における植物群落と環境要因との対応関係について
小松輝行・中村隆俊(東京農業大学生物産業学部)
3.植生袋注入工(バイオオーガニック工法)による法面の樹林化
塚田篤徳((株)相建開発)
4.高次団粒基材吹付工による木本類の導入 早坂武男(北海道三祐(株))
○現地見学 8月31日(土) 8:30−18:00
北海道 卯原内ダム法面の播種工による木本導入,網走国定公園内小清水原生花園の植生復元,知床国立公園内治山事業緑化施工地ほか
◎日本緑化工学会誌22巻3号(1997年4月発行)に記事掲載
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2.積雪寒冷地緑化研究部会 第2回研究会 「積雪寒冷地帯における緑化技術の現状と基礎知識」
○日時 1995(平7)年9月1日(金) 14:00−17:30
○会場 帯広畜産大学(北海道帯広市)
○話題
1. 寒冷地における緑化用種子の播種時期 丸山純孝(帯広畜産大学)
2. 土壌・肥料面からみた植生管理 菊地晃二(帯広畜産大学)
3. 多雪斜面における積雪動態と環境保全 ?森林的緑化の視点から? 小野寺弘道(森林総合研究所東北支所)
4. 寒冷地における高速道路ののり面保護工について 問谷邦利(日本道路公団札幌建設局)
5. プラントパック吹付工による木本類の導入 川口和夫((社)北海道植生建設業協会)
○現地見学 9月2日(土) 9:00−17:00
帯広の森(帯広市),北海道縦貫横断自動車道の法面緑化(音更−池田),
国営草地開発事業(士幌町),生活環境保全林整備事業(本別町)
◎日本緑化工学会誌21巻3号(1996年2月発行)に記事掲載
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1.積雪寒冷地緑化研究部会 第1回研究会 「積雪寒冷地帯の緑化技術に関する諸問題」
○日時 1994(平6)年10月28日(金) 13:00−17:00
○会場 いわて国保会館(岩手県盛岡市)
○話題
1. 土壌凍結が及ぼす諸問題 土谷富士夫(帯広畜産大学)
2. ブナ根系の形態的特性からみた多雪地帯法面の木本導入 田邊裕美(森林総合研究所東北支所)
3. 積雪寒冷地における法面緑化工 ?施工上の問題点? 保坂一彦(東興建設(株))
4. 高寒冷地山腹緑化工の問題点 中村勝衛(日本植生(株))
○現地見学 10月29日(土) 8:30−16:00
岩手県 御所湖原石山緑化施工地,宮沢賢治記念館・休養林
◎日本緑化工学会誌20巻3号(1995年2月発行)に記事掲載