2014年8月31日(日) 15:00〜16:30
帯広畜産大学 講義棟 25番講義室
温暖多雨な日本の山間地域では森林の過度の伐採による土壌侵食,山崩れ,洪水などの災害と大昔から関わってきた。明治30年代には林地の過度な使用がピークを迎え,300万haに及ぶ禿げ山が形成されたと言われ,土砂流出や洪水が頻発した。その後は徐々に緑化・防災事業が進行し,また石油資源等の利用や外材の輸入で日本の荒廃地は回復し森林が山地全域を覆うようになった。このため,山地災害の形態は変化し発生頻度は減少してきたが,しかしそれでも近年の局地的で突発的な激雨による山地災害は毎年のように発生している。
緑化工の目的の一つは樹木,草本を使った斜面の安定化であり,植生が斜面を安定化させるメカニズムの解明や災害を発生させない植生管理技術の確立等を目指す必要がある。このため,関係分野に従事する研究者,技術者,行政担当者等により「防災緑化研究部会」を立ち上げ,この目標の達成を目指すこととした。
本研究集会は防災緑化研究部会が開催する第1回目の研究集会で,既往の樹木による斜面安定化に関する研究のレビューと森林の施業が斜面安定に及ぼす影響の研究例を話題として提供し,討議する。
阿部和時 日本大学生物資源科学部
kazuab(あっと)brs.nihon-u.ac.jp ※(あっと)を@になおして下さい